人は10歳くらいまでの間に
家庭の中での親との関係やきょうだいとの関係や友達との関係の中で
自分の行動や感情の使い方をパターン化して
「こうすれば、うまくいく」
あるいは
「こうすれば、うまくいかない」
というデータを自分の中に蓄積していきます。
例えば、
「親は私が〇〇すると褒めてくれるなぁ、逆に〇〇しても全然こっちを見てくれないぞ」
「お姉ちゃん(きょうだい)は〇〇するから、私は〇〇しよう!」
学校へ行くようになると
「〇〇をしていると、教室での居心地がいいんだな」
「〇〇なら、みんなが注目してくれるぞ! もう少しがんばってみよう」
小さかったあなたは、小さいながらも日々試行錯誤し、最善の方法を確立させて
自分では覚えてはいないけれど、ライフスタイルを「自分で決定した」と考えます。
もって生まれた気質、生まれた家の雰囲気、育った社会などの影響は確かにありますが
あくまでも、決めるのは自分自身であり、そのライフスタイルを大人になっても無意識的に使い続けていると考えます。
一般的に、「性格」という言葉で表現されているものは、表面的な部分ですが、ライフスタイルというのは、行動や思考の核にあるものであり、考え方、延いては生き方にも通じる、その人を知る上でとても重要なポイントです。
そして、これがどう「お酒」と関係するのか?
ライフスタイルは、その人の思考や感情、行動の傾向、いわば生き方のクセですので
例えば、あなたが普段どんなことを優先しているのか、またどんなことがうまくいかないと感じ、どんな時にお酒を飲みたくなるのか?
または、何を避けるためにお酒を飲むのか、あるいは、何を得たくてお酒を飲むのか、などの
自分自身の行動(飲酒を含む)の目的を客観的に振り返るツールとして活用できる
と、私は考えています。
自分のことは、よくわかるようでいて、意外とわからないもの。
自分の考え方や行動の傾向は、昔から慣れ親しみ、それがとても自然なものだからこそ
実はあまりよくわかっていない、ということがあるのですね。
また、ライフスタイルは「自分で選び取ったもの」と考えます。これは、
「自分で選んだのだから、いつでも自分で選び直すことができる」
という希望であると、私は思っています。
人は、何かに悩んだ時、「環境」「関係」「相手」「自分」4つのどれかを変えようとします。
環境は、変えるのにとても負担がかかります。
仕事や職場、住居を変えたりするのは大変ですね。
関係を変えることも難しいです。
上司と部下、親と子、夫と妻、関係を解消することには相当パワーが必要です。
また、私たちはよく、相手を変えようとします。
でも、相手というのは、この4つの中で最も変えにくいもの。
となると
変えられるのは、自分です。
自分を変えるのが実は最も確実であり、問題を解決しやすいのです。
アドラー心理学は、自分を変えるための心理学です。
では、自分を変えるにはどうするか?
自分を変えるには、ライフスタイルを知り、自分の思考や行動のクセを知ることが第一歩。
人は、いつからでも変われます。
変わらないのは、「変えない」と決めているだけ。
さあ、あなたは、変わりたいですか?