断酒にはお酢が効く、というのは、最近の断酒界隈では常識のようです。
お酢には、疲労回復に効果のある酢酸やクエン酸が豊富に含まれていて、血液中の乳酸の上昇を抑えるだけでなく、疲労が溜まりにくい体をつくる働きがある、とか
長い間、お酒を飲み続けたことで、「脳」が酢酸を欲するように変化しているから、お酢を飲むことで飲酒欲求カバーができるらしい、など
こんなふうに説明されると
「お酢はお酒の代わりに効果的」であることの説得力が、いかにも増すような気がしますが、私は飲んだことは一度もありません。
実際に飲んだことのある人のお話を聞いたところ、胃が熱くなって、お腹のあたりがポカポカしてくる体の感覚そのものがお酒に似ていて、
お酒をやめた「物足りなさ」をお酢の刺激がカバーしてくれたような気がする、とのことでした。
確かに、お酢を飲むことは、ほんの数時間の飲酒欲求抑えるには、手軽でちょうどいい手段なのかもしれません。
お酒をやめ始めたとき
「今日一日をお酒を飲まずに終えることができた」
という、「達成感」と「安堵感」に包まれて布団に入ることが、何よりのご褒美だったり、継続のモチベーションになったりしますので
お酢に頼ることは、代替品の選択肢の一つとしてはアリ、なのかもしれません。
でも、このような対処療法を長く続けることは難しいでしょうね。
なぜなら、お酢で「体」の一時的な飲酒欲求を抑えることはできても
あなたが「お酒を飲みたい」と思う「心」のコントロールまではできないからです。
お酢に限らず、ノンアルコール飲料をや炭酸水を飲んだり、以前は欲しくなかった甘いものを食べることで、一時的な「体」の欲求に応えることはできても、
それらがあなたの「心」を満足させることはできません。
代替品で落ち着かせることができるのは、一時的な「体」の欲求だけ。
お酒の問題の根本的な解決方法は、あなたの「心」の方にあります。
運よくお酒をやめ続けることができたとしても、こんな日は突然やってきます。
「お酒を飲まないとやってられない」
「もう、何もかもどうでもいい」
「今日だけは飲んでしまいたい」
あなたが過去にスリップしたあの日も、そんな日だったのではありませんか?
ピンチを乗り切るために必要なのは、お酢でも、ノンアルコール飲料でもありません。
何かがうまくいかないとき、悩んだりつまづいたりしたとき、これまではお酒があなたを一時的に助けてくれたかもしれませんが
私が目指すのは、お酒の力を借りるのではなく、あなた自身の力で解決していくことです。
アドラー心理学には、そのヒントがありますが、解決のための道筋は、あなたの中にしかありません。
アドラー心理学の目的論という理論にのっとって、あなたに質問をします。
あなたにとってお酒とは、「何を得るため」でしたか?
あるいは、「何を避けるため」にお酒を飲んでいたのでしょうか?
この問いの答えを知り、お酒のいらない心を手に入れるために、あなたが自分の心と根気強く向き合うことを私はサポートしています。