「やめてしまったら、唯一の楽しみがなくなる」
「つらい時、どうやってその気持ちから逃げたらいいのか、わからない」
「だから【今はまだ】ムリ!」
なかなか決心できずに、お酒を手にしてしまうあなたの奥底にある気持ちは何だと思いますか?
お酒という選択肢がない世界、つまり未知なることに対して「不安」や「心配」「恐怖」といった【マイナス感情】(不快な気持ち)があるのではないでしょうか。
「お酒は楽しいし、さびしい時やイライラした時には、その気持ちを鎮めてくれる。こんなステキな飲み物とさよならするなんて」と、
これまでの人生を彩ったり、助けてくれたりした「お酒の効能」の部分だけに注目し、それを失ってしまうなんて、と悲観的になってしまうのかもしれません。
アドラー心理学的に解釈をするならば
お酒をやめる決断を先送りしたいから、「もう二度とお酒を飲むことはできないなんて」と、不安や恐怖をつくり出した、ということになります。
私たちの行動や感情には、すべて「目的」がある、と考えます。
「決断を先送りにする」という行動を正当化するために
「やめるのは怖い」「不安」という感情をあなたが作り出している、と考えてみるのです。
これって要は、まだやめたくないのですね。
お酒をやめる決心をして、その一歩踏み出せた人は、
「やめたくない」という自分の本音に気づき、それを隠すために言い訳していた過去の自分をようやく認めることができるようになります。
自分で自分にOKを出すためには、アドラー心理学の「自己受容」という考え方が役に立ちます。
恐怖や不安・焦り・心配などのマイナス感情をもっている自分をまずは認めること。
「こんなふうに感じている自分が今ここにいるんだなぁ」
と、その感情も、感じている自分の存在を認め、OKを出すことです。
これらの感情は確かに不快ではあるけれども、上手に付き合うことができれば、実はあなた自身をよく理解するための強い味方です。
不快な感情をまぎらわすため、見て見ぬりをするためにお酒を手にするのではなく、その感情と仲良くなること。
その感情に気づいたことに
「そうだね、本当はそう思っているんだよね」
「そう感じていたんだね」
と、言いづらかったことを勇気を出して話してくれたあなたの大事な親友に言葉をかけるように、そのまま受け止めることです。
まずは、どんな感情があなたを動かしているのか、そこに意識を向けることから始めていきましょう。
お酒を手にしてしまいたくなるあなたを動かしているのは、どんな感情か、そしてその根元にある満たされてない思いは何なのか、あなたの感情をじっくり味わってみてください。