
(さかもとあきこ):小学生2人のお子さんのママ・りずさんに、アドラー流子育て講座についてインタビューしたいと思います。
(りずさん):よろしくお願いします!
(さかもと):早速ですが、お酒の悩み相談をされたのがきっかけでしたよね。どうしてアドラー心理学の子育て講座を受講しようと思ったのですか?
(りずさん):子どもたちが小さい頃から育児に自信がなくて、そのストレスでお酒を飲んでしまう、という自覚がありました。
さかもとさんに相談したとき、アドラー心理学の子育てについて教えていただいて、それがよい方向に向かえそうな気がしたんです。
(さかもと):お酒を飲んでしまうきっかけは、人によってそれぞれですが、りずさんの場合、子育てのストレスが大きかった、ということでしょうか?
(りずさん):実は子どもたちには学習や情緒に特性があって、学校への行きづらさも抱えています。
それを全部、私一人で背負っていたような感じだったんですね。

例えば、明日学校に行くのか、行かないのか。行くとしたら、朝は何時に起きるのか、そのために今日は何時にお風呂に入って・・・他にも、じゃあゲームの時間は今日はどうするの? とか。
特性に対しても、学校とどう関わって、どんな支援をするとか、子どもたちについての責任は全て自分にあるんだ、という感じで、常に頭の中がいっぱいの状態でした。
(さかもと):その状態は、今、どんなふうに変化しましたか?
(りずさん):まずは、その出来事が誰の課題なのか、と考えられるようになりました。
(さかもと):「課題の分離」ですね。
(りずさん):どうりで私は、ずっと子どもたちのことで忙しいわけだと気づきました。
自分を責めることが少なくなりましたし、何より、子どもたち自身が自分の選択に自信をもてるようになったと感じます。
(さかもと):お子さんたちには、どんな変化がありましたか?
(りずさん):講座で「聴き上手」の宿題が出たとき、子どもたちから言葉や気持ちがたくさん出てきたことにとっても驚きました。
あとは、「勇気づけ」をしていく中で、子どもに自信がついてきたことですね。挑戦しようとする気持ちが芽生えてきました。

(さかもと):自信をつけさせるために、子どもをたくさん褒めよう! という考え方も世の中にはあるようですが、そんなに単純な話ではないんですよね。ほめることの弊害もありますから。
では、親として、りずさんが一番変化したことはどんなことですか?
(りずさん):受講前は、私が子どもを支えなくちゃ、やってあげなくちゃ、という思いだったのですが、私と子どもは「対等な関係」だということが腑に落ちて、横から目線で見守ることができるようになったことですね。
子どもたちとの間に、ほどよい距離ができたと感じています。
驚いたのは、子育ての方法を学ぶことが、自分自身の育ってきた環境や当時の思いを振り返る時間になったこと。
私と母の関係は、「対等」ではなく、まさに「縦」だったなと。
子どもの頃に感じた嫌な気持ちも思い返されましたが、あのとき、母と私の課題をしっかり分けることができていたら・・・と、過去にさかのぼって、母との関係を捉え直すきっかけになりました。
私と子どもたちとの関係を、私と母のような苦しいものにしたくないですし、お互いに一人の人間として、しっかり課題を分けて、その上で協力し合えるような関係をつくっていけるようになりたいと今は思っています。

(さかもと):課題は分けた上で、必要があればいつでも協力できるというのがアドラーの本質なのですよね。2か月間の講座でしたが、りずさんも、お子さんたちも、変わりましたね。
(りずさん):そうですね。
子どもたちの特性そのものや、学校に行きづらいこと自体は、すぐには変わることではないけれど、今回学んだことをこれからも長く実践し続けていくことで、これから先、子どもたちとの関係がどんなふうになっていくのか、とっても楽しみになりました。
私、さかもと先生と話すと、いつも元気になれました。私も、さかもと先生みたいな人になりたいと思っています。
(さかもと):ありがとうございます。でも、子どもたちにとってのりずさんは、きっとそんな存在ですよ。

(りずさん):そうだと、とっても嬉しいです!
(さかもと):最後に、アドラー子育てをどんな人に勧めたいですか?
(りずさん):一人で孤独に子育てしている人。頑張りすぎて、苦しんでいる人。発達障害や不登校という言葉に縛られて、子どもそのものの姿を見失っている人。・・・まさに私がそうだったので。
そんなママに、ぜひオススメしたいです。
(さかもと):りずさん、今日はありがとうございました。
(りずさん):こちらこそ、ありがとうございました。